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東北の旅⑤ 笹川流れ(その②)

国道345号は険しい崖の切り立つ海岸線にあって、新潟と山形を結ぶ「無雪道路という役割を担っていたことから、トンネルの建設や道路拡張などの改良が続けられた。今は快適な道路となっているが、所々にかつての往来の役割を担ってきた旧道が残っている。

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道の駅笹川流れを過ぎると「カタガリ松隧道」が現れるが、かつてはその左側の海岸沿いを通ったらしい。

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何も残っていないように見えるが、右手斜面はコンクリートが塗られている。

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そうすると現れるのがガードレール。すっかり錆びてしまっているが、これこそここに道路が通っていたということの証だ。

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これがかつての「平木隧道」。クルマが通れる幅と思えないような狭さだが、昔のクルマは小さいし…?
どうもガードレールにつられてクルマが通ったことにしたい気持ちがあるようだが、クルマが身近になったのは戦後から。鉄道はすでに大正時代で開通している。人が行き来するには十分と考えれば納得の大きさだ。
奥に見えるのは現道の洞門。

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現道にもどってさらに北上すると、「アジリキ隧道」という隧道が残る。廃道であることをいいことに材木が並べられているが、なんでも持ち主不明で県がもらってしまったのだと。右の案内板にそう書いている。アスファルトで舗装された道路が続いて行くが…

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坑門に何もないコンクリート吹き付けだけの最低限の装備だが、ガードケーブルが伸びているところからしてやはりここが旧道だ。坑門には落石除けがあったようだが、崩れてしまっている。

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中はクルマが通るのに十分な大きさ。こちらの坑門には落石除けが残っている。今ではコンクリートで坑口を固め、落石や土砂を止めている。

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アジリキ隧道に隣り合って天王沢隧道が続く。

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草木に埋もれたガードレールが、ほんの僅かだけ、ここが道路であったことの記憶を残す。

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こういう場所に来ると何か見つけそうで怖いのだけど、実際にはこの場所で遺体が発見されるという事件が2年前に起こっている。事件に出くわさなければいいのだけど。
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Tag:道路廃墟

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